「ぐにゃりとまがった車体」

以前。そんなに遠くない以前、こんな記事を読んだことがある。

「医療のサービスはなっていない、株式会社制度にしてもっと顧客サービスを考えるべきだ。JRを見なさい、民営化してあんなにサービスがよくなったではないか」、と。ぐにゃりとまがった車体をみながら、おそらくね、ボクらの行き先は、そんな場所だ。

あるいは。

講演で演者のヒトが言われた。「医療界は安全管理について我々航空業界の30年前のレベルです、もっとやるべきことをやってください」、と。航空機の整備不良で何度社長は頭を下げている?

ボクはずっとゆってるけど、コスト主義とか効率化とか、今の医療行政をそのままやっていくとそんな風になるんだよ。今の経済システムをそのまま真似たのではダメなんだ。入院ベッドを半分にして高度医療を集中させろって?それでボクらはみんなしあわせになりますか?

気付かないのはどうしてだろう。
  
  
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# by seagullk | 2005-04-28 06:19 | めでぃかる

kuu外来の秘密(1)・・

つーわけで。
この前外来に新人ナースさんが配属されて。診療補助でサポートしてくれるんだよね。で、この前あんましもたついてたんで、ちょっといらいらしてたんですけど、そしたら次の日。

なにげにナースさんのデスクの下の棚を見たら、患者さんに見えない場所に、クッキーやらチョコやらおせんべいがちょこっとづつおいてあるんですよ。なんじゃこりゃ?って新人ナースさん呼んで。

kuu:  「なんじゃこれ?」
新人: 「お、お菓子です・・」
kuu:  「どおするん?食べるん?」
新人: 「いえ、アドバイス・・」
kuu:  「???」
新人: 「先生は、診察4時間を過ぎるといらいらするから、その時に差し出しなさいって・・」
kuu:  「・・・」
新人: 「あれはただの低血糖だから心配いらないって・・」


だれじゃそんなアドバイスしたのわ!(笑)。
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# by seagullk | 2005-04-21 23:19 | めでぃかる

雑談歓迎スレ!

というわけで、こネタを気軽にカキコするための掲示板風スレッドを作りました。
愚痴とかひとりごととか、てきとーにどおぞ。
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# by seagullk | 2005-04-20 21:38 | こみゅにけいとる

「嘘と嘘」

悪性腫瘍と告知。

心臓は悪性腫瘍が非常にまれな臓器なので、循環器やってるとそこまで多くはないんだけど、それでも悪性腫瘍の合併はあり、告知をすべきかどうかの葛藤はやってくるわけで。

まだ手術適応があればまだしも、それが出来ない場合、抗癌剤をどうするか、放射線治療はどうか、といった選択になる。

昔、「患者よ、癌と戦うな」というタイトルで一世を風靡した放射線科医がいらっしゃいましたけど。非常に誤解を招くやり口だったなー。

戦わない、というと、どうしても、あきらめる、とか、放棄する、とかいうニュアンスがあるでしょう?それは違うと思う。

抗癌剤を使わない。手術を回避する。そんな戦い方もある。代替医療を選択するという方法だってある。人生そのものは、ある種の戦いなんだからさ。

あきらめる。その脱力のために、よくなるものもよくならない、そんな印象があるね。我々の免疫力、癌細胞を制御するなんらかの力も、メンタルに影響されてしまうんじゃないか。それはやはり、何か前向きな姿勢だったりするような気がするよ。

誰かのために、という意志だったり。笑顔であったり。

告知をしなくても、ぼんやりとわかる。そこに無言の伝達がある。大丈夫ですよ、そういいながら。そこに真実が伝達される。

気付かないふり、という嘘で。ボクらは救われる。



from kuu's interclinic; hospital aquarium No.57 written by kuu
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# by seagullk | 2005-04-15 08:03 | めでぃかる

ひとりごと

ちょっと逃避で書くんですけど。今日までの書き物〆切りがあるのに…(笑)。
ネットではおもに文芸系サイトをさわってるんだけど。けっこう更新もしてるしね。プライベートの時間ってほとんどないので、限られた時間は医療以外に使いたいねー。医療系サイトの更新が遅れている時は、けっこういっぱいいっぱいの時ですね、仕事的に。

3月中盤から生活がめちゃくちゃなんですけど、ええんかなー。住民票を医局に移したいってゆうか。洗面道具も着替えも靴も準備。おやつも完備。プライベートパソコンも医局に起きっぱなし。あと欲しいのは、マイ冷蔵庫かな(笑)。なんか受験生みたいな暮らしです。なんでこんな風になってるンか、よーわからんね。やれやれ。

この前は1日6人自分の担当患者さんが入院して、そのうち数名が救急車対応だったりしたので、こうなるとカルテ仕上げるだけで夜明けです。豊かに医者が余っているような病院じゃないしねー。いや、遊んでるヒトもいるかもしれませんが(笑)。
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# by seagullk | 2005-04-15 05:31 | めでぃかる

接遇研修

どおでもいいけど、接遇研修とゆうのがありました。

途中呼ばれたので中座したんだけどさ。出席したスタッフはみんな怒ってたねー。
「2時間の講議のうち、1時間が前振りだった!」って(笑)。こっちは前振りで終わりだよ、とほほ。そういったレクチャーをする専門の会社のようなんだけど、「お前の接遇をなんとかしろ!」つー感じで。一般企業さんとか接客業さんとか、よく知らないけど、あんなんで目からウロコ、なんでしょうか?よーわからんね。
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# by seagullk | 2005-04-15 05:11 | めでぃかる

かかりつけ医と医者選び

ちょっとネタといいますかなんというか。

この国の医療はいったいどんな方向に行くんだろうということなんですけど。大きくな流れは、病院(病床数)を減らそうということ。そのために、中規模病院は不要なり、という政策が進められています。ほんとだよ。

で、イギリスなどにならって「ホームドクター/かかりつけ医」をもって、そこから大学病院レベルの大きな病院と連携すればいい、というもの。これがねー。

この「かかりつけ医」っていうのはけっこう曲者。どうやって選ぶ?ご近所にある医院?情報って、ほとんどないじゃないですか。まだ総合病院のほうがいいって人が多いんじゃない?御近所で、もしも馬が合わなかったらどおしよう、って心配する人もいるかもね。総合病院なら、なんなら主治医を替えられるし。

開業の先生が「ゆっくり聞いてくれる」から、かかりつけ医として適しているんだろうか?そのドクターがどんなことを目指しているか、それは外からはまったくわからないのにね。いい人もいるけどそうでない人もいるかも。ステロイドをばしばし打ってる「名医」も少なくないはずだ。メディアの情報も玉石混合。雑誌だってそう。そんな中で「かかりつけ医」っていわれても、ねえ。

ということを、ちょっと思った。いや、友人に「○○って所におばーちゃんいるんだけど、そのあたりでいい病院知らない?」って聞かれて、科が違うともうお手上げなんですよ、こうやって業界にいてもね。症例が多い少ないとか、関係ないもん。ランキング本片手に病院さがすなんて、ありえねー(笑)。一般の人は踊らされているだけです。あれは星座占いと一緒。当たるかもしれないし、違うかもしれない。少なくとも、発刊側には何の罪もない。

みんなどうやってDr選んでるんだろうね。誰かがっつりマーケティングとかしてるんだろうな。で、それに沿ったマニュアル集とか出てさ。ボクらが読むの。はああ。

まあともかく。なにをよりどころにすればいいのか。こっちは、自然体でいるしかないんだけれど。
  
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# by seagullk | 2005-03-18 07:41 | めでぃかる

TV「医療の最前線」と「研修医」を見て

いやほんとに。マジでくたくたなんですが。さておき。
この週末はふたつの医療系番組がありました。ひとつは12日放送のテレビ朝日系のドスペ!「緊急密着!生命の最前線24時」と、13日放送NHKスペシャル、「研修医」。

ドスペの方はダチが出演してるンで、ビデオ撮って見た。つか、誰かDVD買って(笑)。まあ、あんなもんかなー。途中Drコトーのサントラ使ってなかった?局が違ってもいいんだーそれもちょっとびっくりよ。費用のこととかも出てたみたい。まあ、どおだかね。「悪くもないけど面白くもない」って感じかな。ごめん途中見てないので。(ダチのとこはしっかりみたけど。)

「研修医」の方は、面白い切り口ですね。けっこうこれは興味深かった。なかなかわかりにくいだろうけど、あの病院は「患者のための医療をおこなう」というふれこみで研修医を募集していると聞くので、そういったことに興味を持ってる新人Drが集まるんだろう。現場とのギャップに悩むでしょうね。なかなかよかったなー。ある意味観念論的な印象になってるけど、それぞれ取材を受けてる研修医のいってることは、真実だ。

視聴者のニーズはどっちにあるんだろうね、それが知りたいよ。
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# by seagullk | 2005-03-13 22:39 | めでぃかる

「出会いと別れ」

−出会いの数と、別れの数は、おんなじ。−

うちの病院では外来予約を3ヶ月先まで閲覧出来るので、自分が担当している患者さんをだいたい把握できる。昨日数えてみたら、450人くらい。ほとんどの人は自分より年上。そりゃそうだ。循環器内科は老年科ですからね。

ふと、思う。もしもこのまま何年もこの病院に勤めていたなら、自分はそれだけの人たちの死に立ち会うということ。見送ってばかりだね。これから、ずっと。

そういえば、高校生の頃ととか、ずいぶんと「出会い」に感激したように思う。学校で、社会で、街角で。様々な出会いのおかげで今の自分がある。音楽や文学だってそのひとつ。

もちろん、出会いはあるよ。新しい感激だって、これからずっとあるだろう。ただ、常に別れを意識させられる仕事というのは、どうだろう。少しづつ消耗していく気がしないでもない。機を織る、夕鶴。

これだけたくさんの人との出会いを果たしたのだから、今度は見送る番、なのかもしれない。告知をせず外来で診ている転移性腫瘍のおじいちゃん。綱渡りの心不全のおばあちゃん。

今日、意識が戻った担当の入院患者さんに酸素マスク越しに、言われた。(うちの孫かと思いました…。)まあね、そりゃ91歳のおばあちゃんから見れば孫同然かもだ(笑)。そんなはるか遠くの世代に自分の生死を預けるということ。家族の人にはもう告げてある。五分五分、ですから、と。

このおばあちゃんを救えるのかどうか。わからない。手は尽くした。

見送る数だけが。増えていく日々。


from kuu's interclinic; hospital aquarium No.56 written by kuu
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# by seagullk | 2005-02-22 00:36 | めでぃかる

ほりえもんとメディアの姿勢

えー2月18日の産経新聞の「主張(社説)」から。

『堀江氏発言/産経を支配するって?/少し考えて言ったらどうか』の見出し。

「・・これを機に産経新聞の考えを一応、言っておきたい。」とのただし書きで始まる社説。中見出しには「見えない哲学と使命感」「一般事業とは違う責任」っといったフレーズ。最後の3段落から、引用です。

「堀江氏は電波媒体を買収してグループ内の新聞を支配したいという野望なのだろうが、電波というのは公共財であり、しかも無限ではない。この限りある資源を適切に使うため、国が限られた事業者に免許を与え、割り当てている。これが放送事業である。」

「したがって、利益をあげることが最大の目的である一般事業会社とは当然異なり、より大きな公共性と社会的責任が伴う。」

「それだけの資格があるかどうか、静かに自らに問うて欲しい。」



えー、つまりアレですね、現在フジサンケイグループ、たとえばフジテレビ系が流しているのは適切な公共財で、それだけの資質のある事業主が展開してるのだよ。なにしろ国から免許を割り当てられ限られた事業者なのだからな我々は。ハダカとお金と殺人と占いが画面にあふれている、それが適切な判断であって、ホリエモン、キミはこの高尚な事業には向いてないから反省したまえ撤退しろ、ってことなのだろう。



これがとおるなら、じゃあこれはどお?。
「医療というのは公共財であり、しかも人材は無限ではない。この限りある資源を適切に使うため、国が限られた者に免許を与えている。これが医療である。」「医療は利益をあげることが最大の目的である一般事業会社とは当然異なり、より大きな公共性と社会的責任が伴う。」このフレーズでキミら納得できる?てゆうか、「医療も経済論理にのっとって合理化すべき」っていっつもゆってるやん。それは放送業もいっしょなのだ。

すくなし、ほりえもんの資格を問う権利は君たちにはないよ。産経新聞はわりといい記事を書くんだけど、自分のことになるとここまで判断が鈍ってしまう。それに気付いていないってことだ。哀しいね。
 
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# by seagullk | 2005-02-19 15:02 | わあどる