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「病気にならない生き方」によせて

「病気にならない生き方」(新谷弘実著)が平積みになってますね。amazonの書評とか見ても賛否両論ってとこでしょうか。6対4で賛成派が多そうかな。で、えーっと、立ち読みですませてしまいました(笑)。

本の最初のほうにね、こんなフレーズがある。「四十年間、私が死亡診断書を書かなかった理由」。これがねー。死亡診断書を書く書かないはそれは職務の問題ですからいいんですけどね、それを自分の権威付けに使うのはどうかと思うけどな。

死亡診断書を書いていない=自分はガンで患者を失っていない、ということではないんですよ。ただそういう分担になっていないということです。人は死ぬ。それを見届ける。そんな、多くの医療者が通り過ぎてきたことを、自分はしていないよと、それだけ。

自分は交通事故をおこしたことがない。そんなゴールドドライバーさんの、運転技術が抜きん出ているという人はいないでしょう?それと同じだよ。

そんな風にしか自己を表現できない人の理論って、常に自分中心じゃないかなって思う。それを評価軸に据えるのはなー。まあ自分はしない。

たった一枚の死亡診断書でも、それが胸にささることがある。何十枚とかいたところで、何も残らないかもしれない。それは評価軸にもならないし、だからそんなことで自分の技術は計れない。重篤な合併症を起こさなかった医師なんて星の数ほどいるだろう。でもそれを勲章にはしない。できないんですよ。

明日はなにかつらいエラーを起こすかもしれない。車の運転だってそう。それはみんな知っているから。人間の身体に介入する怖さをね。それは、言い換えれば、人の命とか生き方へのレスペクト、他者をいとおしむという態度です。

それが欠けている人の講釈は。あんまり聞いても仕方ないかな、って。
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by seagullk | 2006-06-25 02:01 | めでぃかる