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「出会いと別れ」

−出会いの数と、別れの数は、おんなじ。−

うちの病院では外来予約を3ヶ月先まで閲覧出来るので、自分が担当している患者さんをだいたい把握できる。昨日数えてみたら、450人くらい。ほとんどの人は自分より年上。そりゃそうだ。循環器内科は老年科ですからね。

ふと、思う。もしもこのまま何年もこの病院に勤めていたなら、自分はそれだけの人たちの死に立ち会うということ。見送ってばかりだね。これから、ずっと。

そういえば、高校生の頃ととか、ずいぶんと「出会い」に感激したように思う。学校で、社会で、街角で。様々な出会いのおかげで今の自分がある。音楽や文学だってそのひとつ。

もちろん、出会いはあるよ。新しい感激だって、これからずっとあるだろう。ただ、常に別れを意識させられる仕事というのは、どうだろう。少しづつ消耗していく気がしないでもない。機を織る、夕鶴。

これだけたくさんの人との出会いを果たしたのだから、今度は見送る番、なのかもしれない。告知をせず外来で診ている転移性腫瘍のおじいちゃん。綱渡りの心不全のおばあちゃん。

今日、意識が戻った担当の入院患者さんに酸素マスク越しに、言われた。(うちの孫かと思いました…。)まあね、そりゃ91歳のおばあちゃんから見れば孫同然かもだ(笑)。そんなはるか遠くの世代に自分の生死を預けるということ。家族の人にはもう告げてある。五分五分、ですから、と。

このおばあちゃんを救えるのかどうか。わからない。手は尽くした。

見送る数だけが。増えていく日々。


from kuu's interclinic; hospital aquarium No.56 written by kuu
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by seagullk | 2005-02-22 00:36 | めでぃかる

ほりえもんとメディアの姿勢

えー2月18日の産経新聞の「主張(社説)」から。

『堀江氏発言/産経を支配するって?/少し考えて言ったらどうか』の見出し。

「・・これを機に産経新聞の考えを一応、言っておきたい。」とのただし書きで始まる社説。中見出しには「見えない哲学と使命感」「一般事業とは違う責任」っといったフレーズ。最後の3段落から、引用です。

「堀江氏は電波媒体を買収してグループ内の新聞を支配したいという野望なのだろうが、電波というのは公共財であり、しかも無限ではない。この限りある資源を適切に使うため、国が限られた事業者に免許を与え、割り当てている。これが放送事業である。」

「したがって、利益をあげることが最大の目的である一般事業会社とは当然異なり、より大きな公共性と社会的責任が伴う。」

「それだけの資格があるかどうか、静かに自らに問うて欲しい。」



えー、つまりアレですね、現在フジサンケイグループ、たとえばフジテレビ系が流しているのは適切な公共財で、それだけの資質のある事業主が展開してるのだよ。なにしろ国から免許を割り当てられ限られた事業者なのだからな我々は。ハダカとお金と殺人と占いが画面にあふれている、それが適切な判断であって、ホリエモン、キミはこの高尚な事業には向いてないから反省したまえ撤退しろ、ってことなのだろう。



これがとおるなら、じゃあこれはどお?。
「医療というのは公共財であり、しかも人材は無限ではない。この限りある資源を適切に使うため、国が限られた者に免許を与えている。これが医療である。」「医療は利益をあげることが最大の目的である一般事業会社とは当然異なり、より大きな公共性と社会的責任が伴う。」このフレーズでキミら納得できる?てゆうか、「医療も経済論理にのっとって合理化すべき」っていっつもゆってるやん。それは放送業もいっしょなのだ。

すくなし、ほりえもんの資格を問う権利は君たちにはないよ。産経新聞はわりといい記事を書くんだけど、自分のことになるとここまで判断が鈍ってしまう。それに気付いていないってことだ。哀しいね。
 
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by seagullk | 2005-02-19 15:02 | わあどる

電子カルテを義務化?

そうかそうきたかー(笑)。やるねーオリックス会長さん。記事はIDNニュースさんから持ってきました。ここね。

『政府の規制改革・民間開放推進会議(議長=宮内義彦オリックス・会長)が3月下旬にとりまとめる追加答申の原案が8日、明らかになった。医療の質の向上を図るため、2005度中に医師免許更新制度の導入を検討するよう提言。電子カルテの導入義務付けなども盛り込み、世論の関心が高い社会保障分野を中心に改革を迫る姿勢を明確にした。』ってことです。

医師免許更新制度、賛成です。すべての国家試験は更新制であってもいいかもです。世の中にどれほどの国家試験があるのかよく知らないけど。教員さんとか司法もそうかな。そのへんも言及よろぴく。

電子カルテ義務化ねえ。まあ本末転倒のなんたるかって感じだね。VHSとβのビデオ戦争みたいになってるんですが、業界では。各社企画が全然統一されてないし、今後の情報共有でむちゃくちゃになっていくんでしょうねえ。ま、どーでもいいってことなんでしょうね、結局売れればいいんですからさ。

それを利用者=国民主体に調整するのがセイフの仕事だと思ってる人も多いかもしれませんが、ニュースに鋭敏な人は気付いているはずだけど、この国の舵をとってる組織が国民全体の幸せってことをめざしているか、よーく見ていてね。そうして、あー、そういえば○年前、そんなカキコみたなーって。

自分?自分は自分の職分をまっとうするだけ。それは十分に魅力的で、まあお金とか楽チンさとは無縁だけど、がんばるに値すると思ってます。
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by seagullk | 2005-02-12 11:20 | めでぃかる

「家族説明に患者の同意」

エキブロ・メディカルにリンク。「4月から患者の同意必要 個人情報保護法で厚労省」

こーゆー通達がされるらしい。トモダチのとこからパクってきました。

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【4月から患者の同意必要 家族への病状説明に指針 個人情報保護法で厚労省 】

 厚生労働省は、4月の個人情報保護法全面施行に伴い、病院などで家族に病状を説明する場合も患者本人の同意を必要とするとした医療、介護関係者向けの指針をまとめ、都道府県などに通知した。医療現場では、がんなどの場合、本人には病名を告げず、まず家族に話すといった慣習が長く続けられてきただけに、患者と医療側双方に意識の切り替えが求められそうだ。

 個人情報保護法では、個人データを第三者に提供する場合は本人の同意が求められる。同省の指針でも家族など第三者に病状を説明する場合には、事前に本人に対し、誰に何を説明するのかの同意を得る必要があるとした。

 保護法は個人情報が5000件を超えるデータを持つ事業者が対象で、医師は過去5年間のカルテ保存義務などがあるため、かなりの数が対象になるという。

 例外は「生命、身体、財産の保護のために必要で、同意を得ることが困難な場合」などとされ、患者が意識不明だったり判断能力のないケースが当てはまる。本人に直接病状を説明すると他人を傷つけたり、自殺の可能性があるといった場合も例外扱いとなる。

 厚労省は「重病で告知により患者の病状悪化が予想される場合も例外」(医政局)としており、末期がん患者などの場合は本人同意が必要かどうか医師の判断に委ねられるケースもありそうだ。

 職場や保険会社への情報提供も同様に本人の同意がいるほか、病院には情報が漏れないための措置が求められる。

 事業主が実施する健康診断結果については、従業員の健康管理を目的とする労働安全衛生法66条に基づき、健診を受けた時点で、事業主への情報開示を同意したものとみなされる。

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これは運用次第では大変なんだけどね。日本人の価値観とか死生観をなんとかしないと、始めに。ボクらは言いっぱなしでいいんだろうか。重症の為例外と判断し・・という文章を前振りすればこれまでどおり?

なんかだんだんむちゃくちゃになってくるねー>某この国。そのうちさ、ちょっとしたネタ話も個人情報保護に抵触するかも。かも。
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by seagullk | 2005-02-04 18:54 | めでぃかる

ゆとり教育とジェネリック薬品

どうもこの、行政って理数的な態度に対してずれちゃってる気がしてトホホだなー。たとえばちょっと前に、小学校では円周率(π)=3で教えていいんじゃない?みたいな報告があったじゃないですか。そんな感じで。

で、ジェネリック薬品です。いえ、薬を安く作って安く売ることになんら疑問はないんですよ、ただきちんと、「簡単な試験だけで認定したのでお安いです、どうぞ」ってゆって欲しいな−。個人的にはあんな簡単な試験だけでオリジナル薬と同じとは思えないですけどね。というわけで、自分ちにちょっとリンク。

「ジェネリックはベストバイか?」

本質は、もっと違うところにあるのだ。

from kuu's interclinic; healthy merci(1) No.42 written by kuu
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by seagullk | 2005-02-03 07:21 | めでぃかる